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スコティッシュフォールドの飼い方完全ガイド|性格から病気、寿命まで解説

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドとは?

スコティッシュフォールドは、その名の通りスコットランドを起源とする猫種です。最大の特徴は、内側に折りたたまれたような愛らしい耳であり、この耳の形状が多くの人々の心を掴んでいます。

性格は非常に穏やかで物静かなことから、集合住宅などでも飼育しやすい猫種として日本でも高い人気を誇ります。その丸みを帯びた体つきと大きな瞳は、まるでぬいぐるみのような印象を与えます。

ただし、特徴的な折れ耳は全ての個体に見られるわけではなく、立ち耳のスコティッシュフォールドも存在し、彼らは「スコティッシュストレート」と呼ばれます。

スコティッシュフォールドの歴史や起源

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドの歴史は、1961年にスコットランドのある農家で始まったとされています。そこで発見された「スージー」という名の白いメス猫が、偶然にも折れ曲がった耳を持っていました。

この特徴的な耳は、遺伝子の突然変異によって生じたものであり、その後の調査で片方の親から受け継ぐだけで特徴が現れる「優性遺伝」の形式をとることが判明しました。

このスージーを基礎として、ブリーダーたちの手によって計画的な繁殖が開始され、ブリティッシュショートヘアなどの猫種との交配を経て、現在のスコティッシュフォールドという一つの猫種として確立されていきました。

スコティッシュフォールドの特徴

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドの象徴である折れ耳は、軟骨の形成に異常が生じる遺伝性疾患に起因するものです。この疾患が耳の軟骨を弱くし、自身の重さで前方へ垂れ下がることで、あの独特な形状が生まれます。

耳の折れ具合には個体差があり、緩やかに折れる「シングルフォールド」から、頭のラインに沿うようにぴったりと折れる「トリプルフォールド」まで様々です。なお、生まれたばかりの子猫は皆まっすぐな耳をしており、生後3週間から1ヶ月頃にかけて耳が折れるかどうかが決まります。

また、スコティッシュフォールドの被毛には、短毛種と長毛種の2種類が存在します。一般的に多く見られるのは、ビロードのような手触りを持つ短毛種です。一方、長毛種は「ハイランドフォールド」や「ロングヘア・フォールド」とも呼ばれ、シルクのように滑らかでゴージャスな被毛を持っています。

毛色のバリエーションが非常に豊富な点も魅力の一つで、ブルー、クリーム、レッドといった単色から、キャリコ(三毛)やタビー(縞模様)まで、あらゆる色が公認されています。

スコティッシュフォールドの性格

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドの魅力は外見だけではありません。彼らの穏やかで愛情深く、適応性の高い性格もまた、多くの家庭で愛される理由となっています。

穏やかで人懐っこい性質

スコティッシュフォールドは、非常に穏やかで落ち着いた性格の持ち主です。大きな声で鳴き立てることは少なく、物静かに過ごすことを好みます。

また、飼い主に対して深い愛情を示し、そばに寄り添ったり、後をついて歩いたりするなど、人懐っこい一面も持ち合わせています。過度な甘え方はせず、適度な距離感を保つことができるため、初めて猫を飼う方にとっても良いパートナーとなるでしょう。

好奇心旺盛で遊び好きな一面

物静かな性質の一方で、猫らしい好奇心と遊び心も忘れてはいません。おもちゃで遊ぶのが大好きで、特に猫じゃらしなどには夢中になってじゃれつく姿を見せます。その動きは活発でありながらも激しすぎず、飼い主との穏やかなプレイタイムを楽しむことができます。

高い環境適応能力

一般的に、新しい環境や家族構成の変化に対しても比較的順応しやすいとされています 。見知らぬ人や他のペットに対しても、過度に臆病になることは少なく、落ち着いて対応できる個体が多い傾向にあります。もちろん個体差はありますが、その柔軟性は共に暮らしやすい利点の一つと言えるでしょう。

スコティッシュフォールドの飼い方

スコティッシュフォールド スコティッシュフォールドを家族として迎えることは、日々に喜びをもたらしてくれるでしょう。しかし、彼らが健康で快適に過ごすためには、いくつかの注意点があります。

特に、食事と体重管理、住環境の整備、そして日常のケアは、スコティッシュフォールドの特性を理解した上で丁寧に行う必要があります。

食事と体重管理

スコティッシュフォールドは、その穏やかな性格から運動量が少なくなりがちで、肥満になりやすい傾向があります。

肥満は関節への負担を増大させるため、体重管理は非常に重要です。食事は、筋肉を維持するために高タンパク質で高品質な総合栄養食を選び、パッケージに記載された給与量を基準に、体型や活動量に応じて調整することが求められます。

住環境の整備

遺伝的に関節に問題を抱えやすい猫種であるため、生活環境には配慮が必要です。

特に高い場所からの飛び降りを避けるため、キャットタワーは低めのものを選んだり、ソファなどへの上り下りのためにステップを設置したりすると、関節への負担を軽減できます。また、安心して休めるように、静かな場所に屋根付きのベッドや隠れ家を用意してあげましょう。

ブラッシングと耳のケア

被毛のケアとして、短毛種であれば週に1~2回、長毛種であれば毎日ブラッシングを行い、毛球症の予防と皮膚の健康を保ちます。加えて、折れ耳の個体は耳の内部が蒸れやすく、外耳炎などを起こしやすい傾向にあります。

そのため、定期的に耳の中をチェックし、汚れている場合はコットンなどを使って優しく拭き取ります。ただし、耳の奥を自己流で掃除すると外耳を傷つける可能性があるため、詳しい清掃方法についてはかかりつけの獣医師に相談することをお勧めします。

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気と平均寿命

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドの平均寿命は、一般的に10歳から13歳前後とされています。

猫全体の平均寿命が約15歳であることと比較すると、やや短い傾向にあると言えます。これは遺伝性疾患のリスクが影響していると考えられます。

また、スコティッシュフォールドと共に暮らす上で、その猫種特有の健康リスクを理解することは非常に重要です。ここでは、特にかかりやすいとされる病気と、平均的な寿命について解説します。

遺伝性骨軟骨異形成症(こつなんこついけいせいしょう)

この病気は、スコティッシュフォールドという猫種を定義づける最も重要な健康課題です。特徴的な折れ耳を形成する遺伝子が、耳だけでなく全身の骨や軟骨の形成に異常をきたすことで発症します。

四肢の関節に痛みやこわばり、骨の変形などが生じ、進行すると歩行に困難をきたすこともあります。折れ耳の個体はすべてこの病気のリスクを持っており、根本的な治療法はありません。そのため、痛み止めなどで症状を和らげる対症療法が治療の中心となります。

肥大性心筋症(ひだいせいしんきんしょう)

これは、心臓の筋肉が異常に分厚くなり、心臓が正常に機能しにくくなる病気です。スコティッシュフォールドに限らず多くの猫で見られますが、注意すべき疾患の一つです。

初期段階では症状がほとんど現れないため発見が難しく、進行すると呼吸困難や後ろ足の麻痺といった深刻な症状を引き起こすことがあります。定期的な健康診断での聴診や、必要に応じた心臓の超音波検査が早期発見の鍵となります。

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)

腎臓に「のう胞」と呼ばれる液体の入った袋が多数でき、それらが徐々に大きくなることで正常な腎臓の組織を圧迫し、腎機能を低下させていく遺伝性の病気です。

飲水量や尿の量が増えるなどの症状が見られますが、初期は無症状のことがほとんどです。遺伝子検査によって発症リスクを事前に把握することも可能です。

外耳炎(がいじえん)

折れ耳の構造上、耳の内部の通気性が悪く、湿気がこもりやすいという特徴があります。このような環境は細菌や真菌が繁殖しやすく、耳垢が溜まって炎症を起こす「外耳炎」のリスクを高めます。

耳を頻繁にかく、頭を振る、耳から異臭がするなどのサインが見られたら注意が必要です。定期的な耳のチェックと、獣医師に指導を受けた上での適切なケアが予防につながります。

スコティッシュフォールドの治療費例

スコティッシュフォールド

「スコティッシュフォールド」に関する傷病の治療費例を紹介します。紹介する治療費事例はSBIペット少額短期保険の請求データを元にしています。

実際の治療費は病気の状況や健康状態によって変化するため、あくまで参考情報としてご覧ください。

骨軟骨異形成症

病名 骨軟骨異形成症
猫種 スコティッシュフォールド
年齢 6歳
内容
  • 再診料
  • 超音波検査
  • 注射(ソレンシア)
通院費(2日) 27,500円
合計 27,500円

※こちらの診療費は参考例です。実際の診療費などは病院によって異なります。

骨瘤

病名 骨瘤
猫種 スコティッシュフォールド
年齢 5歳
内容
  • 再診料
  • 注射(ソレンシア)
通院費(1日) 11,660円
合計 11,660円

※こちらの診療費は参考例です。実際の診療費などは病院によって異なります。

関節炎

病名 関節炎
猫種 スコティッシュフォールド
年齢 6歳
内容
  • 診察料
  • 注射
通院費(1日) 12,320円
合計 12,320円

※こちらの診療費は参考例です。実際の診療費などは病院によって異なります。

まとめ

スコティッシュフォールド

スコティッシュフォールドは、その愛らしいルックスと穏やかな性格で、私たちに計り知れない癒しを与えてくれる魅力的な猫種です。

しかしその一方で、その特徴である折れ耳が「遺伝性骨軟骨異形成症」という遺伝性疾患と切り離せない関係にあるという事実も存在します。

この猫種を家族として迎えることは、その愛らしさだけでなく、特有の健康リスクを受け入れ、生涯にわたって必要なケアと医療を提供するという責任を負うことを意味します。お迎えする前にはこれらの情報を深く理解し、生涯を共に歩む覚悟があるかを熟考することが、猫と飼い主双方の幸せにとって不可欠です。

記事の提供/ねこちゃんホンポ(https://nekochan.jp/

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※掲載している内容は、2025年9月22日時点のものです。
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