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猫の生活
猫のペット保険の選び方|必要な理由や失敗しない選び方を分かりやすく解説

目次
ペット保険とは?
猫を飼ううえで、いざという時に安心感をもたらしてくれるのがペット保険です。けれども、「そもそもペット保険ってどんなもの?」「本当に必要なの?」と疑問に思う方も少なくないはずです。ここでは、ペット保険の基本的な仕組みと補償内容についてわかりやすく解説します。
人間の健康保険とは違い、すべて自己負担になる
日本では人間が病院にかかる際、公的な健康保険が医療費の大部分をカバーしてくれますが、ペットにはその仕組みがありません。つまり、動物病院でかかった費用は基本的にすべて飼い主の自己負担となります。ちょっとした診察でも数千円、入院や手術ともなれば数万円、時には十万円を超えることも珍しくありません。
補償内容は「通院・入院・手術」が中心
ペット保険では、一般的に「通院」「入院」「手術」の3つの医療行為に対して保険が適用されます。たとえば、軽い風邪や皮膚炎の治療で通院する場合、また骨折などで数日間入院する場合、さらには腫瘍摘出などの手術が必要な場合、それぞれに応じた補償が受けられるというわけです。ただし、補償内容や範囲は保険商品によって大きく異なるため、事前の比較が欠かせません。
加入時期や条件にも注意が必要
ペット保険はいつでも加入できるわけではありません。生後すぐから加入できるプランもあれば、一定の年齢を超えると新規での加入ができない場合もあります。また、持病や既往症がある場合は、対象外とされることもあるため、健康なうちに検討を始めることが大切です。早めに備えることで、より安心して猫との暮らしを楽しめます。
猫にペット保険が必要な理由

猫は見た目には元気そうでも、体の中で病気が進行していることが少なくありません。また、どれだけ室内で安全に飼っていても、思わぬ事故や怪我のリスクはゼロではないのです。そんな時に頼りになるのがペット保険です。ここでは、猫にとってなぜ保険が必要なのかを具体的に説明していきます。
猫は体調不良を隠す習性がある
猫は本能的に弱みを見せない動物だと言われています。そのため、飼い主が気づいた時にはすでに症状が進行しているケースも多く、結果として治療に多くの時間と費用がかかることがあります。そうしたリスクに備えるためにも、医療費の負担を軽減できる保険の存在は重要です。
高額な治療費が発生することも
たとえば、尿路結石で手術が必要になった場合、検査や入院を含めて数万円から十数万円かかることがあります。悪性腫瘍の手術となれば、それ以上の費用が発生することもあるのです。急な出費に慌てないためにも、ペット保険による経済的なサポートは非常に心強いものになります。
猫特有の病気や怪我が多い
猫は慢性的な腎臓病、歯周病、皮膚病、また誤飲や誤食といった事故が起こりやすい動物です。とくにシニア期に入ると複数の慢性疾患を抱えることが増えてきます。長期間にわたる治療や継続的な通院が必要になる場合もあるため、保険の有無が生活の質に大きく影響してきます。
金銭的な理由で治療を諦めないために
愛猫が重い病気や怪我をしたとき、「費用が高くて治療を受けさせられない」という状況は、飼い主にとっても大きな精神的負担になります。ペット保険に加入していれば、治療の選択肢を広げられるだけでなく、いざという時に冷静な判断がしやすくなります。
猫のペット保険の選び方!比較する際の5つのポイント

いざペット保険に加入しようと決めても、数ある保険会社の中からどれを選べばいいのか迷ってしまうことは少なくありません。猫にとって本当に必要な補償内容を見極めるためにも、比較すべきポイントを押さえておくことが大切です。
①補償内容と範囲をチェックする
最も基本となるのが、「通院」「入院」「手術」の3つの補償がどこまでカバーされているかです。保険によっては通院が含まれていなかったり、年間で補償される回数や金額に制限がある場合もあります。慢性的な病気を持っている猫には、通院回数の制限が緩いものが安心です。
②自己負担額と補償割合のバランスを見る
多くのペット保険では、治療費の何割を保険が負担するかが決まっています。たとえば70%補償の保険であれば、残りの30%は自己負担になります。補償割合が高いほど保険料も高くなる傾向がありますが、重い病気や手術のリスクを考えると、高補償プランが結果的に安心につながることもあります。
③保険料の金額と継続性
月々の保険料はプランによって差があり、猫の年齢が上がるにつれて保険料が高くなる仕組みも一般的です。安さだけで選ぶと、必要なときに十分な補償が得られないということもあるので、コストと内容のバランスを考えて選びましょう。また、年齢制限で継続できなくなるケースもあるため、長期的に利用できるかも確認しておくと安心です。
④加入条件と待機期間の確認
保険には、申し込みから実際に補償が適用されるまで「待機期間」が設けられている場合があります。たとえば、契約してすぐの病気には保険が適用されないといったケースです。また、年齢制限や持病の有無など、加入にあたっての条件も保険ごとに異なりますので、事前にしっかり確認しておきましょう。
⑤保険会社の信頼性と口コミも重要
保険会社自体の評判や実績も大切な比較ポイントです。支払いがスムーズか、カスタマーサポートの対応は丁寧かなど、実際の利用者の口コミをチェックすることで、安心して利用できる保険かどうかが見えてきます。
猫のペット保険を選ぶ際の注意点

ペット保険は万が一に備える心強い味方ですが、加入する際にはいくつかの落とし穴や見落としがちなポイントがあります。後から「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前に押さえておくべき注意点を紹介します。
「補償対象外」の条件を見逃さない
すべての治療費が補償されるわけではありません。たとえば、予防接種やノミ・ダニ駆除など、健康維持を目的とした処置は保険対象外となっていることが一般的です。また、持病や既往症がある場合、それに関する治療は補償されないこともあります。加入前に「どんなケースが対象外になるのか」を必ず確認しておきましょう。
保険金の「請求方法」と手間をチェック
実際に保険を使うとき、病院で支払いを済ませたあとに保険会社へ請求書類を送付する必要があります。この手続きが煩雑だったり、必要書類が多いと、忙しい時に手間と感じることがあります。最近では、診療明細の写真をアプリで送るだけの簡単な手続きが可能な保険会社も増えているので、利便性も選定基準のひとつです。
更新時の「条件変更」に注意
保険は毎年更新が必要なものが多く、年齢や過去の利用実績によって、更新時に保険料が上がったり、補償条件が変わることもあります。なかには病気の履歴が理由で補償対象から外れるケースもあるため、更新時の条件についても事前に理解しておくことが大切です。
「補償限度額」や「回数制限」も確認しておこう
年に何回まで通院補償が受けられるか、手術は何回まで補償されるかなど、補償には回数や金額に限度があります。「通院は年間20回まで」「手術は1回あたり10万円まで」などの制限が設けられていることが多いため、頻繁に病院に通うことが予想される場合は、その上限をよく比較しましょう。
病気の種類によっては「補償されない」こともある
たとえば、先天性疾患や遺伝的な病気、あるいは予防可能な感染症にかかってしまった場合、保険が適用されないことがあります。特に猫では、猫白血病や猫エイズといった感染症が該当することがあるため、加入前に細かく規約を読んでおくことが必要です。
愛猫が怪我・病気になった時の自己負担額の例

猫が突然の病気や怪我に見舞われたとき、どのくらいの医療費がかかるのか想像がつかないという方も多いでしょう。ここでは、実際にかかる治療費と、それに対するペット保険の補償がどのように機能するのか、具体的なケースをもとに解説します。
尿路結石による治療と手術のケース
猫に多い病気のひとつが尿路結石です。症状が進むと排尿困難や激しい痛みを伴い、入院やカテーテルによる処置が必要になります。
初診から検査、治療、数日の入院まで含めると、合計で5万円~10万円ほどかかることもあります。ここで保険が70%補償なら、実質の自己負担は1万5千円~3万円程度に抑えられることになります。
骨折による手術と入院のケース
高い場所からの落下事故で骨折してしまった場合、手術代と入院費で10万円~20万円かかることもあります。
もし100%補償タイプの保険に加入していれば、ほとんど自己負担なしで治療を受けさせてあげられることになります。70%補償でも3万円~6万円程度で済むため、金銭的負担の差は非常に大きいと言えるでしょう。
口内炎の継続治療のケース
慢性的な口内炎も猫に多い病気のひとつです。完治しない場合も多く、通院と投薬を繰り返す必要があります。月に数回通うだけでも、1か月あたり1万~2万円程度の出費になることがあり、年間では10万円を超えることもあります。
こうした継続治療にも対応している保険であれば、自己負担を抑えつつ、計画的な治療が可能になります。
実費と補償のバランスが安心を生む
こうした事例からわかるように、保険に加入していない場合と比べて、加入している場合では出費のインパクトが大きく異なります。万が一のときに「治療を受けさせたいけど費用が心配」というジレンマを避けるためにも、保険による補償の恩恵は計り知れません。
猫のペット保険選びでよくある疑問(Q&A)

ペット保険に興味はあるけれど、実際に選ぶとなるとさまざまな疑問が湧いてくるものです。ここでは、猫のペット保険について多くの飼い主さんが抱きやすい疑問に対して、わかりやすく答えていきます。
Q.子猫でも保険に入れるの?
A:はい、ほとんどの保険会社では生後30日~90日以降の子猫から加入できます。若いうちから加入しておくと、持病がない状態で審査を通過しやすく、将来的な病気にも備えやすくなります。逆に高齢になってからの加入は制限がかかることが多いため、元気なうちの加入がおすすめです。
Q.どのタイミングで加入するのがいいの?
A:できるだけ健康な状態のときに加入するのが理想です。病気が見つかってから加入しようとしても、その病気は補償対象外とされることが多いためです。また、ケガや急病は予測できないものなので、早めの準備が安心につながります。
Q.1回も使わなかったら損じゃない?
A:たしかに保険を使わない年もあるかもしれません。ただ、保険は「使わなかったから損」ではなく、「使う事態になったときに備えておく安心料」という考え方が基本です。使わずに済めばそれに越したことはありませんし、使うことになった時には大きな助けになります。
Q.複数の保険に入ることはできる?
A:技術的には可能ですが、複数の保険に加入していても同じ治療に対して二重に保険金が支払われるわけではありません。二つの保険を上手に組み合わせるのは難しく、保険料の負担も増えるため、基本的には一つの保険で必要な補償をカバーする方が現実的です。
Q.保険料は年齢によって変わるの?
A:はい、多くの保険では年齢が上がるにつれて保険料も上がります。高齢になると病気のリスクが高まるため、それに応じて保険料も高くなる仕組みです。そのため、できるだけ若いうちに加入しておく方が、月々の負担は軽く済みます。
まとめ

猫を家族として迎えたからには、できるだけ長く健康で一緒に過ごしてほしいと思うのが自然な気持ちです。しかし、病気や事故はいつ起こるかわからず、そのたびに高額な医療費がのしかかってくることもあります。そんな時に心の支えになってくれるのが、ペット保険という存在です。
ペット保険は、単にお金の問題を解決するだけでなく、「治療を選ぶ自由」を飼い主にもたらしてくれます。たとえ費用がかかっても、愛猫にとって最善の選択ができるという安心感は、何にも代えがたいものです。
もちろん、補償内容や保険料、加入条件など、選ぶ際に気をつけるべき点も多くあります。それでも、正しい情報をもとに比較検討し、自分と愛猫に合った保険を選ぶことで、これからの毎日に大きな安心をプラスすることができるでしょう。
愛猫の将来のために、そして自分自身が後悔しないために、今こそペット保険という選択肢に目を向けてみてはいかがでしょうか。
記事の提供/ねこちゃんホンポ(https://nekochan.jp/)
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※掲載している内容は、2025年7月17日時点のものです。
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